指導方針

潮の指導方針

国際会議で外国の研究者とディスカッション

国際会議で外国の研究者とディスカッション

アクティブで明るい雰囲気の研究室を作るためには、学生は良きパートナーであると思っています。すばらしい研究環境を構築するためにメンバー全員が力を合わせる必要があると思っています。

ところで、システム科学・工学の教育において習得すべき基礎知識は何で、どんな人材の育成を目標とすべきでしょうか?古くからある工学分野では自明な問いです。機械工学ならば、4力(材料力学、機械力学、流体力学、熱力学)が基礎知識で、機械的な人工物を設計できる工学者を育成することが目標です。
では、システムエンジニアの基礎知識とは何で、どんな人工物を設計できる人でしょうか?システム科学の基礎を築いたHerbert Simon (1916-2001)は、チューリング賞を1975年に、ノーベル経済学賞を1978年に受賞しています。このように、システム科学は、工学だけでなく、あらゆる分野と密接にかかわっています。さらに、スマートグリッドやITSなど、急速に発展した情報通信技術がシステムの機能を飛躍的に向上させると同時に、システムのネットワーク化、複雑化が進んでいます。また、地球温暖化などの環境問題もますます深刻化し、さらに、3.11を経験して減災に対する意識も高まってきています。このような時代にこそシステム科学・工学が必要とされています。
システム工学は、他の工学と比べて、ある意味抽象的な工学であることを踏まえて、潮の教育目標は、「システム科学・工学の基礎理念を体得し、コンピュータサイエンスの知識を持ち、システム科学・工学の諸理論を駆使してシステムの特性を解析し、最適なシステム設計ができる」システムエンジニアの育成です。そのための最初のステップとして、4月に「システム工学とは?」という題目で潮の四方山話を行います。

ところで、潮研のOB・OGの多くは、学生時代の研究とはかなり異なる仕事に就いています。入社してから必死に勉強することが多くあったと推測します。大学の教員になっている人でも研究テーマが変わってしまった人が多いです。良い仕事ができるために必要な素養は、「ものの見方」、「研究・開発の進め方」、「人とのコミュニケーション能力」です。
これらを学生時代に鍛えることが学生のキャリアにとって大事ですし、これらを体得する機会を提供したいと思っています。学生が今関心を持っている知識を深く習得してもらうことも重要ですが、学生が社会に出て、システムエンジニアとして良い仕事ができるための土台を作ることも重要な使命だと思っています。

「education(教育)」の語源はギリシャ語で、「子供の資質を引き出す行為」という意味であると言われています。このことを念頭に、学生を指導するときは、「学生一人一人は違う才能を持っており、その学生の才能を引き出し、育てるために一番良いアドバイスは何か?」をいつも考えるようにしています。つまり、単なる知識を「教」えるのではなく、才能を「育」てることが教育の真髄だという信念でもって学生を指導しています。その結果、すべての学生に対して画一的な指導をするのではなく、その学生の将来への希望を尊重しながら、まだ荒削りな素質を大切に育てるように努力しています。

学生にとって良い思い出となる研究室となるためには、このような教育方針に賛同し、「これから頑張るぞ!」という意気込みのある学生さんを、パートナーとして研究室の一員に迎えたいと思います。そして、社会に出るときには、以下のような人になっていて欲しいと願っています。

  1. システム科学・工学の基礎理論を身につけ、理論に基づく応用研究やシステム設計ができる人。
  2. 視野が広く、柔軟に物事を考えられる人。
  3. コミュニケーション能力をもち、自分の意見をきっちりと相手に伝えられる人。
  4. ノーブレス オブリージュ(noblesse oblige)という倫理観を持っている人。

また、共通教育だよりNo.39(2011年4月発行)pp.11-14(PDF)に潮が「驚きのホモクリニシティ」という題目で寄稿しています。時間がある時に読んでみてください。

ページの先頭へ